私たちが育てるたんかんやぽんかんは、屋久島の自然に感謝しながら、一本一本の木と、ひとつひとつの実に向き合い、丁寧に手をかけることを何より大切にしています。

 

「今年も美味しく育ってくれますように」と願い、家族みんなで畑に通う毎日です。

 

そんなたんかんやぽんかんを生産する日々のこだわりをご紹介します。

果樹はそのままにしておくと枝が混み合い、日光や風が入りにくくなります。

私たちは、木の状態を見ながら不要な枝を丁寧に剪定。これにより風通しが良くなり、日光も果実にしっかり届くようになります。

 

さらに剪定した枝はウッドチッパーで細かく砕き、畑にまいて土に還します。

果実を守るための剪定が、やがて土の栄養にもなる──自然の循環がここにあります。

枯れ枝を放っておくと「黒点病」の原因になり、果実の表面に黒い斑点が出たり、風で枝がこすれて実に傷がついてしまいます。

そのため、収穫期までに徹底的に枯れ枝を取り除くことで、見た目にも美しく、贈り物にもぴったりの果実になるのです。

摘果とは、果実を意図的に間引く作業です。

「葉100枚につき1つの果実」が理想とされており、葉の力で十分に栄養を送れるよう、小さすぎる実やキズのある実を落とします。

 

手間はかかりますが、この工程があるからこそ、甘みがギュッと詰まった、ちょうどいい大きさの果実が実るのです。

12月頃から、たんかんの果実一つひとつに「サンテ」という布をかぶせます。

これには3つの役割があります:

 

🍊日焼け防止
:皮が固くなるのを防ぎ、なめらかな果面に

🍊着色促進
:鮮やかなオレンジ色に色づくのを助ける

🍊鳥害対策
:ヒヨドリから実を守る

 

この一手間が、見た目も味も美しいたんかんを生み出します。

たんかん・ぽんかんの収穫は、すべて手作業で行っています。

果実に傷がつかないよう、まず実がついている枝ごとをハサミで一度カットし、その後、果実だけをもう一度切り離して、丁寧にヘタを整えます。
このように二段階で行う収穫方法を「二度切り」と呼んでいます。

収穫作業はハシゴに登って行うため、足場が不安定で手元もおぼつかなくなることがあります。誤って実を落としたり、ハサミで果実を傷つけてしまわないよう、この「二度切り」を採用しています。


また、長年の経験をもとに、収穫のタイミングも見極めています。
一番おいしく味わっていただける時期を選び、ベストな状態でお届けできるよう心を込めて収穫しています。

収穫した果実は、贈答用・家庭用にすべて手作業で選別します。

果皮のキズは目で、傷みは手ざわりで見極めます。常に2人以上で作業することで、より確実に品質を保ちます。

お手元に届く際に一番おいしい状態で届くように心がけています。

除草剤は一切使わず、日々草払いに励んでいます。

刈った草は“緑肥”として土に還し、さらに剪定した枝も肥料に還元し、牛ふん堆肥なども使って土づくりをしています。

 

こうしてできあがる畑の土は、足を踏み入れるとふわっと靴が沈むほどやわらかくサラサラ。

このやさしい土こそが、果実の根をしっかり支え、栄養をたっぷり届ける秘密なのです。

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